金沢医療センター
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心臓血管外科
心臓血管外科
リンパ浮腫
  リンパ浮腫
 
乳房手術後の腕の腫れ、子宮、膀胱や直腸手術後の足の腫れは典型的なリンパ浮腫です。その他、原因のはっきりしない四肢(ほとんどが足ですが)の腫れでリンパ液のうっ滞によって生じる状態です。先天性のものは、生後間もなく出現するものから中年以降に出てくるものまで種々あります。手術後に出てくるものは、比較的速く数カ月後から腫れを自覚するものから10年以上経過して現れるものまであります。

1)腫脹:腫れた腕や足が重く運動し難くなる。皮膚も硬くなるので指で圧迫してもへこまない事が多い。
2)象皮病:皮膚が厚く、硬くなる。このため、腕や足が変形して来ることもある。
3)蜂窩織炎:リンパ浮腫を来している腕や足は抵抗力が低下しているため容易に炎症を生じる。一度炎症が生じると腕、足全体に  および発赤し、悪寒を来たし高熱が続く。
4)悪化:蜂窩織炎を繰り返すと僅かに残っていたリンパ管が閉塞し、リンパ浮腫が増悪する。蜂窩織炎から全身の敗血症を生じたり、治療不能の  蜂窩織炎となり切断が必要となることもある。

○治 療
リンパの流れを増加させるための手術が数多く行われてきましたが、効果が不十分のため当科では手術しないで治療する方針です。

1)入院
蜂窩織炎のある人には3カ月近く入院してもらいます。
・完全に炎症を治す、・患肢にクリームを塗り皮膚を軟らかくする。炎症がおさまったら、・運動を始める、・自分でマッサージの方法を覚える、・空気マッサージを繰り返す、・クリーム塗布によるマッサージと包帯の巻き方を覚える、・弾性ストッキングの着用に慣れる。

2)外来での管理
これらの処置により弾性ストッキング着用で日常生活が可能になったら退院します。退院後も毎日、次のことに注意します。・殺菌クリームを塗り、マッサージを毎日行う、・弾性ストッキングをマッサージ後に着用する、・日中、上肢は長く下垂させない、下肢は起立時間を  短くし、軽い運動を行う、・外傷に注意し、傷したら消毒を直ちに行う、・入浴時にマッサージを行う、・就寝時、足の太さを計り記録し、太くなっているなら弾性ストッキングの着用、更にその上に弾性包帯をする、・肥り過ぎないようにする。食塩は控えめに。

これにより、腕・足が再び太くならないように保ちます。リンパ浮腫の治療はリンパのうっ滞を防ぎ、少しでも多くのリンパ液を身体の中心に流すことを目的とします。これを持続し、蜂窩織炎の発生を防げば腕・足も太くならず、皮膚も軟らかくなり、通常の日常生活は可能になります。最後は自分との闘いです。

【下腿腫脹】
足が腫れるというのはよく見られる現象ですが、重くて運動が制限される、靴下が痛くなるなど日常生活にとっては不愉快な症状です。この原因として、前に述べたリンパ浮腫や静脈血栓後遺症などはある程度原因がはっきりしていますが、両足に生じてくる場合もあり、多くの原因が考えられます。

1)心臓から来るもの
2)栄養状態のバランスが悪いもの
3)腎臓から来るもの
4)肝臓から来るもの

などはそれぞれの治療が中心となります。それ以外で原因不明の頑固な腫脹を下肢腫脹症候群として研究・治療しています。


【突発性老人性下腿浮腫】
最近、比較的高齢者で両足とくに足背、足関節部に強い浮腫を来す患者さんが多く見られます。はっきりした原因が無く、足を挙上したり、少量の利尿剤で軽快します。日常生活とくに食生活の指導や足の保護を守ってもらうことにより軽快します。足の腫れは日常生活を制限し運動量を低下させるのみならず、足に外傷や感染を生じる原因にもなりますので注意しましょう。