金沢医療センター
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  家庭血圧のすすめ
 


家庭血圧のすすめ ―高血圧診療に潜む3つの落とし穴―
高血圧の治療は病院で測る血圧値に基づいて行われますが、家庭血圧を測ることでより適切できめ細かい治療が可能になり場合があります。
キーワードは白衣高血圧、早朝高血圧、夜間降圧の3つです。


■血圧とは?
血圧とは血液の圧力によって血管壁が押される力のことで、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と、末梢血管の緊張の度合い(血管抵抗)によって決まります。血圧を測定する際には、ふたつの値が記録されます。心臓が縮んだときには、血液が送り出され、血管に高い圧力がかかります。これが収縮期血圧(最大血圧)です。反対に、血液を送り出した心臓が拡張して、肺などから血液を吸い込みます。このときに血圧は最も低くなり、これを拡張期血圧(最小血圧)といいます。

■140/90 mmHg以上が高血圧です
日本高血圧学会によるガイドラインでは収縮期血圧140 mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧と診断されます。ここで用いられる血圧は、病院で医師・看護師により測定された「外来血圧」です。



■白衣高血圧と家庭血圧の基準値
病院で測定した血圧は、家庭で測る「家庭血圧」に比べると高くなる傾向にあります。家庭血圧について日本高血圧学会では、135/85mmHg以上を高血圧とし、125/80 mmHg未満を正常血圧の基準として採用しています。病院以外の環境では血圧が高くないのに外来血圧が高血圧の範囲を示す場合を、「白衣高血圧」と呼びます。白衣高血圧は必ずしも降圧薬を必要としませんが、心臓などへの負担の程度や将来「真の」高血圧にならないかどうかを見守ることが望ましいとされています。




■仮面高血圧、早朝高血圧は危険!
白衣高血圧とは逆に、外来血圧は良い値なのに、家庭など病院以外での血圧が高い場合を、「仮面高血圧」と呼びます。その中でも早朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」が注目されています。実際に脳卒中や心筋梗塞が起こりやすい時間帯は早朝から午前中にかけてと言われ、高血圧が引き金となっている可能性があります。目覚めの少し前から自律神経のバランスが変化することや、血圧の薬を朝1回服用する場合は降圧薬の効果が早朝に弱まることも、早朝に血圧が上がりやすい理由と考えられています。白衣高血圧が無害に近いのとは対照的に、仮面高血圧は脳、心臓、腎臓などの重要な臓器の障害を起こしやすいことがわかっています。

■睡眠中の血圧はどうなってるの?
健康な人では、夜眠っている間の血圧は、日中活動している時の血圧に比べて10%以上低くなることが知られています。これは、睡眠に伴って、心拍出量や血管の緊張を高める自律神経の働きが弱まることや、腎臓の血流量が増えて日中よりも塩分を尿に排出しやすくなることが関係していると考えられています。ですから、自律神経の働きに影響を及ぼす脳卒中、糖尿病、良質な睡眠が得られない睡眠時無呼吸症候群、あるいは腎臓の働きが低下した方などでは、夜も血圧が下がりにくくなります。夜に血圧が下がらない高血圧では、やはり臓器の障害が起こりやすいことが知られています。心臓は1日中休むことなく血液を送り続けますが、1日の3分の1を占める夜間に血圧が高ければ、それだけ心臓の仕事量は増え、血管へのストレスも高まります。普段は意識に上らない睡眠中の血圧を評価して適正に保つことは、特に心臓病、腎臓病、脳卒中を伴った高血圧の方では重要なことです。

■金沢医療センターでの取り組み
金沢医療センターでは早くから家庭血圧を外来診療に取り入れながら、24時間を通じての血圧コントロールを目指した治療を行っています。専門外来はFJSH*の資格を有する医師が担当しています。高血圧に関する全国規模の臨床研究に参加し、家庭血圧の基準値の制定にも貢献してきました。これらの臨床研究には、参加される患者様に家庭血圧計を無償
で提供できるものもございますので、興味のある方はお気軽に外来へお問い合わせください。また、糖尿病や腎臓病など厳密な血圧管理が必要な方には、外来では把握することが難しい夜間の血圧や、重要臓器への高血圧の影響を評価し、個別に最適な降圧薬を決めるための短期入院も行っています。


* FJSH: 日本高血圧学会が認定する高血圧専門医の称号。
2007年現在、石川県では5名の医師が認定されている。